鋳物の減衰特性資料

素材における減衰特性比較試験

目的

片持ち梁の自由振動において加振後の振幅を連続的に計測する事で減衰比を求め、材質固有の減衰性能を比較する

実施日

2016年4月

使用機材

テスト方法

試験片 φ20 - L250
突出し L215
測定位置 10㎜ 先端(自由端より)
計測方法 5μs毎に変位を測定
固定方法 バイスとVブロックでフライス盤のベットに固定
加振方式 プラスチックハンマーによる打撃

減衰比 比較

順位 材  質 (φ20-L250) 減衰比
1 アルミ合金 鋳物 AC7A 0.948
2 マグネシウム合金 展伸材 AZ31 0.951
3 真鍮 展伸材 C3604 0.954
4 展伸材 S45C 0.955
5 アルミ合金 鋳物 AC4C-T2 0.963
6 アルミ合金 鋳物 AC2B 0.965
7 ステンレス合金 展伸材 SUS303 0.971
8 アルミ合金 展伸材 A5056 0.972
9 アルミ合金 鋳物 AC4C 0.981
10 アルミ合金 鋳物 99.8%AL 計測不可

結論

本試験で使用した材質の中では、AC7Aの減衰比が一番小さく、振動吸収性能に優れる結果となった。

一般的には、マグネシウムが振動吸収性に優れる材質として知られているが、AC7Aがこれを抜いた結果となっていることは、特筆すべき点である。

99.8%純アルミは強度が小さく、軟らか過ぎて打撃時の変形(曲り)により振動が発生しなかった。

AC4CはT2処理をすると減衰比は小さくなるが純アルミに近く強度が低くなり変形しやすくなる。

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